電験三種講座,講義紹介:理論7(過渡現象,電気・電子計測/電子理論・電子回路)

予約受付を開始した講義について,簡単な紹介を書いてみたいと思います。

あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。

理論科目の7回目の講義は「過渡現象,電気・電子計測/電子理論・電子回路」です。

過渡現象

まずは,ネイピア数(自然対数の底)がどういうものなのかを学びます。

そのうえで,電験三種で扱う電圧や電流の挙動は,2パターン(本質的には1パターン)しかないことを学びます。


抵抗–コンデンサ回路や,抵抗–コイルの回路において,電圧や電流の過渡的な挙動がどうなるかを学びます。

特に

  • スイッチ投入直後
  • 最終的な状態

において,どう考えればよいかを重点的に学びます。

時定数については,その結論の式を学びますが,「なぜその式でよいのか」をある程度適切にイメージしたいところです。

特に,抵抗–コイルの回路において,抵抗値が時定数の分母に入っている意味をどう解釈すればよいのかは,なかなかイメージしづらいところです。しかし,「ある見方」をすれば,その意味が腑に落ちることでしょう。

電気・電子計測

電気・電子計測の分野は,「すでに学んだ電磁気学と電気回路理論の応用的学習」をするうえでの,とてもよい題材となります。

つまりこの分野は「1から10まで手取り足取り教えてもらうべきもの」ではないのです。

ということで,講義では「独学ではわかりにくいであろう要所」のみを解説するにとどめています。


また,二電力計法については,「三相平衡した負荷でないと,正確に計測できない」という誤解をちらほら見かけますが,そのような誤解が生じないような「単純な見方」を紹介します。

電子理論/電子回路

基本事項の確認

電子の挙動を考える際は,無料体験教室で説明した三大重要事項(運動方程式,「仕事」の定義,エネルギー保存の法則)の理解が不可欠ですので,再度説明します。


等速円運動する物体も,完全に「運動方程式」に従うことを学びます。

よく,「向心力と遠心力がつり合う」という説明がなされますが,この説明は不適切です。
「遠心力」などというものはどこにも存在しないのですから。

講義では「適切な」説明を行います。

〈補足〉
どうしても「遠心力」なるものを考えたいのであれば,「等速円運動する物体についてまわって」観察することになります。
そして,「等速円運動する物体についてまわって」観察した場合,その物体は,(向心力と遠心力がつり合って)「止まっている」ようにしか見えないのです。


(電磁気学的な)「電位の定義」についても,おさらいします(「忘れちゃいました…」という方がとても多いので)。

電子の運動

電子が電界中や磁界中でどのような運動をするのかを学びます。

半導体

まず,半導体と導体の違いが「単に電気抵抗の違い」ではないことを学びます。

ある点に着目した場合,半導体と導体は,全く逆の特性を示します。


pn接合については,「紙に描かれた図が誘引する2つの大きな誤解」を排除して説明します。

参考書などにpn接合の図が描かれているのをよく見ますが,重要な補足説明が欠けていると感じます。


ダイオードの特性について「3つの見方」を紹介します。

電子回路に精通している方は,(知らず知らずのうちに)この3つの見方を使い分けているのですが,それを初学者に「自分で気づけ」というのは酷な気がします。


発光ダイオード(LED)を点灯させる回路を設計します。
この設計を通じて,「ダイオードをどう見ればよいのか」が身にしみて理解できるでしょうし,この「ダイオードの見方」がこれまで学んだ線形素子のそれとは全然違うことも理解できるでしょう。

トランジスタ

トランジスタについては,「得体の知れない素子だなぁ」という認識から,「まぁこんな感じの挙動をする素子でしょ」という認識に変わっていただければ,講義としては大成功だと考えています。


トランジスタの等価回路を見ると,よく電流源が描かれています。

しかし,トランジスタをいくら睨み付けてみても,トランジスタ内部に電流源を見つけることはできません。

では,トランジスタをもっと原始的に(電流源など入っていないものとして)とらえることはできないのでしょうか?

できます。

このようなトランジスタの「原始的な理解」を持つことで,電圧増幅回路も,パワーエレクトロニクスにおけるスイッチング回路も,どちらもその本質を容易にイメージできるようになります。

講義では「音声を電圧信号として扱う」ということを説明したうえで,トランジスタの「原始的な理解」を元に,トランジスタ回路について説明していきます(内容的には,相当な分量になります…)。

FET

FETについても,簡単に紹介します。

演算増幅器

「増幅度を表す式だけ覚えていても解けない」問題が出題されても困らないよう,式の導出の仕方を説明します。

各種効果

各種の効果について,簡単に説明します。

各種デバイス

各種のデバイスについて,簡単に説明します。



電験三種講座:理論7「過渡現象,電気・電子計測/電子理論・電子回路」を受講希望の方は,「予約する」ボタンから予約してください。

お待ちしております。

【電験三種講座のページに移動します】