電験二種講座,講義紹介:回路理論2(交流回路理論〈複素記号法〉)

電験二種講座に関しては,「次回の」講義について簡単に紹介していきたいと思います。

※あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。

正弦波交流

正弦波交流についておさらいします。

正弦波交流電圧や正弦波交流電流は,時間経過とともに「向き」を変えます。

では,正弦波交流電圧や正弦波交流電流に割り当てられた変数に添えられた矢印は,一体何を意味するのでしょうか?

矢印の意味を学ぶことによって,「矢印の意味を正しく理解することなく,正しい交流回路理論を構築することは不可能」であることに気づくでしょう。


また,二種では微分・積分が解禁になりますから,正弦波の微分についても学びます。

正弦波の微分については,縦軸と横軸の取り方を「ある観点」で決めるととても分かりやすくなるのですが,あまりそのような取り方をしているのを見かけません。


実効値や平均値についても,その定義式から結論を導出してみます(積分を使います)。

複素記号法の導入

まず,複素数についておさらいします。
※これ自体が結構な分量になりますが,サラッと流します。

そして,正弦波交流が複素数で表現できること,正弦波交流の足し算・引き算が複素数の足し算・引き算で行えることを学びます。

さらに,(正弦波を表す)複素数を微分すると何が起こるかを見てみます。
この観察結果から,「では,交流回路をより簡単にあつかうためにはどうすればよいか」が分かるのです。


さて,複素電圧や複素電流の変数にも(直流回路と同じように)矢印が添えられています。

この矢印は何を意味しているのでしょうか?

矢印の意味を正しく理解することなく正しい交流回路理論を構築することはできません。
※電験二種理論科目の参考書でも,書籍全体を通して矢印が正しく付けられているものは,あまり見かけません。


最後に複素インピーダンスを導入して,「複素記号法の導入」は完了します。

様々な回路の解析

複素記号法を使って,様々な回路を解析します。

講義で時間を割きたいのは「簡単な回路だけど,三種受験の際はあまり注力しなかったであろうもの」です。

簡単な回路について深く考察しておくことが,理論科目対策のみならず,2次試験対策の準備にもなります。

また,このような「簡単な回路に対する考察」は,参考書などでもあまり取り上げられていないので,講義で取り上げる意味も大きいと考えています。

交流電力

電力の本質も(電圧や電流と同様に)瞬時値にあります。
ですから,まずは瞬時電力について考えてみます。

その際,皮相電力,有効電力,無効電力というのが,瞬時電力のグラフの中にどう現れるのか(あるいは現れないのか)を考えます。

よく言われる「皮相電力は電源から供給される電力で…」という言い回しが「正しいのかどうか」も検証してみましょう。


複素電力を学ぶ前提として,共役複素数について学びます。

一般的な説明では「簡単な形の複素数」に対する共役複素数しか説明されていませんが,「複雑な形をした複素数」に対する共役複素数がどうなるかについても学びます。

そして,複素電力について学びます。

複素電力というもの自体はさして難しいものではないのですが,個人的には巷の書籍に書かれている説明がしっくりきません。

複素電力という概念自体がさして難しいものではないこと,(所望の)複素電力を得るための計算式も「妥当なもの」であることを学びます。


また,有効電力や無効電力の扱い方についても,「二種の勉強をするうえで必ず知っておきたい」方法を紹介します。


可変の負荷において消費電力が最大になる条件について調べます。

これはまず,「可変の抵抗負荷」についての結論を導出し,その後に「可変のインピーダンス負荷」についても結論を導出します。

三相交流回路

「ベクトルオペレータ」というものを学びます。

※なお,ベクトルオペレータは「単なる複素数」なので,「ベクトル」でもなければ「オペレータ(演算子)」でもありません…。


電験二種では,不平衡な負荷が登場します。

負荷が不平衡であっても「計算はできる」ことを学びます(面倒ではありますが…)。

直流回路を題材に学習した回路網解析法が,交流回路に対しても適用できることを学びます。

計算は面倒になりますが,電験二種に合格するためには,ある程度の「面倒な計算」に耐えなければなりません。


テブナンの定理が交流回路に対して適用できることも学びます。

その際,三種受験の際にはあまり考えなかったであろう事についても考察します。
(このあたりの考察が,2次試験対策において重要になります)



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