電験二種講座,講義紹介:回路理論3(過渡現象〈微分方程式〉)

電験二種講座に関しては,「次回の」講義について簡単に紹介していきたいと思います。

※あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。


電験二種の1次試験対策として過渡現象(微分方程式)を学習する際,参考にする書籍はどのようなものになるでしょうか。

たいてい,下記のようなものになるでしょう。

  • 電験二種 理論科目の参考書
  • 電験二種 数学の参考書
  • 過渡現象の専門書

しかし,

  • 電験二種 理論科目の参考書では,紙面の都合上「大きく削って,のこりを紙面に詰め込む」ことになるでしょうし,
  • 電験二種 数学の参考書では,数学的なアプローチは十分説明されていても,電気回路理論的なアプローチが浅くなるでしょうし,
  • 過渡現象の専門書では,扱うテーマが広すぎることになるでしょう。

いずれにしても,

  • 電験二種の1次試験対策として適切な範囲に対して,
  • 数学的なアプローチと電気回路的なアプローチの両面をある程度しっかり学ぶ

ことは困難だと感じます。

講義では,電験二種の1次試験対策として,最善のバランスを提示したいと考えています。

準備

電気回路的な準備

コイル,コンデンサ,抵抗について,おさらいをします。
これらのおさらいが,過渡現象を電気回路理論的に理解する際の大前提となります。

数学的な準備

自然対数の底とはどのようなものなのか,指数関数や三角関数を微分するとどうなるのか,三角関数はどう合成されるのかなど,数学的なおさらいをします。
これらのおさらいが,過渡現象を数学的に理解する際の大前提となります。

微分方程式の解き方

微分方程式について,4つのパターンを学びます。

数学的には「公式を適用してお決まりのパターンで式を操作すると結論が得られる」ことを学べばよいのかもしれません。
しかし,「解かなくても解が推測できる」部分などもありますので,必要に応じて紹介していきます。


4つのパターンを一通り学ぶと,電験二種の勉強としては「少し難しい部分を多く学びすぎた」ような気持ちになるでしょう。

しかし,電験二種にフォーカスしすぎて学ぶことを制限すると,逆に全体像が見えにくくなるのです。

学ぶ範囲を「少し広げる」ことで視界が良好になるのであれば,「少し広く」勉強するのがよいと考えます。

単エネルギー回路の事例

まずは,電験三種で学んだ事例(RL+直流電圧源,RC+直流電圧源)について,おさらいをします。
電験三種のときは,微分方程式は使わずに「結果のみ」を学びました。
この「結果のみ」の理解は,電験二種対策においてもかなり重要な位置を占めます。

次に,電験三種で学んだ事例について,微分方程式を立てて解きます。
「結論が分かっている事例について,新しい手法を適用する」のは,とてもよい勉強になるでしょう。

また,三種ではことさら扱うことのなかった「L単体」や「C単体」についても考えてみます。
このような基礎的なことをじっくり考察することで,回路の挙動に対する理解が深まることでしょう。

さらに,RL回路やRC回路に交流の電圧源が接続された場合の挙動についても学びます。

複エネルギー回路の事例

RLC回路の過渡現象を,微分方程式を使って解く方法を学びます。

少し難しい内容になりますが,ここまでしっかり学んでおくことで逆に見通しが良くなるのです。

演習

時間の許す限り,微分方程式を解く練習や,試験問題の回路の挙動を定性的に把握する練習を行いたいと考えています。



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