電験三種講座,講義紹介:理論1(静電界/コンデンサ)

予約受付を開始した講義について,簡単な紹介を書いてみたいと思います。
(「2019年度版」ですので,「2018年度版」に対して多少修正が入っています)

あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。

理論科目の1回目は「静電界/コンデンサ」です。


当講座では電磁気学を全3回(理論1,理論2,理論3)で学びます。

最初に,「電磁気学の全体像」を提示します。
そこに提示される「全体像」は,あまりにもシンプルで,人によっては「へ?これだけ?」と思われるかもしれません。

そうなのです。
電磁気学的な現象は,(電験三種に限って言えば)これだけなのです。
これ以外のことは何も起こらないのです。

しかし,「たったのこれだけ」であっても,最初からそれらを理解することは難しいでしょうし,仮にに理解できたとしても,それで電磁気学をマスターしたといえるかというと,それは違います。

たくさんのものを見て,聞いて,考えて,最終的に「やっぱり起きていることは,たったのこれだけだ!」という理解に到達できたとき,そのとき初めて「電磁気学を(ある程度)マスターした」と言えるのです(電験三種の範囲に限ってですが)。

静電界

初めに「クーロンの法則」を学びますが,「クーロンの法則」自体は「早い時期に捨て去るべきもの」であると考えています。
早い時期に「クーロンの法則」を捨てて「電界」を主役に据えることで,その先の大いなる発展性を得ることができるでしょう。


また,長年出題されていなかったテーマが近年出題されてしまいました。
電磁気学の「歴史的な流れ」を考えれば出題しないのが最善であると考えていますし,そのテーマについては「学習しない」というのが,電磁気学のマスターにおいて肝要であるとも考えています。

しかし,出題されてしまったからには,説明せざるを得ません。


当然,「電界」についても学びます。
電界$E\ \text{[N/C]}$がどのような考えに基づいて定義されているのか,その「考え」をしっかり理解しましょう。

電気力線については,「定義」と「性質」をハッキリ区別して学びます。
多くの書籍で「定義」と「性質」がごちゃ混ぜに扱われていることに不安を覚えます。


ガウスの法則(物理法則)を使って電界の大きさを計算する方法も学びます。
初学者向けの書籍におけるガウスの法則の説明を見ると,肝心なことがすっぽ抜けていることがほとんどで,読者が正しい理解を得られるのか心配になります。

もちろん講義ではその「肝心なこと」も「込み」でガウスの法則を説明します。

※ちなみに「ガウスの定理」は「数学の定理」ですので,ガウスの法則(物理法則)とは本質的に「ベツモノ」です(似たような話を扱ってはいるのですが…)。
※電験の参考書に「ガウスの定理」と書かれていたら,それは「ガウスの法則」のことです。


「電位」についても学びます。
「電界」と「電位」の関係性は,最初のうちはなかなか把握できないかもしれませんし,電界$\ E\ $の単位 [N/C] がなぜ [V/m] でもあるのか,すぐには理解できないかもしれません。

しかし説明はきちんとします。
粘り強く学習して,自分のものにしましょう!


「導体」をどうみるかについても学びます。
あまり脚光を浴びるテーマではありませんが,導体の内部を「心の眼」で見ることが出来れば,様々な現象の本質をよく捉えることができるようになるでしょう。
地味ながら,個人的にはとても重視しているテーマです。

コンデンサ

まずは,「コンデンサに電気がたまる様子」を学びます。
これは「導体をどうみるか」が分かっていないと,正しく理解できません(というか,大いなる誤解をしてしまうおそれがあります)。


静電容量 $C$ の定義についても学びます。
「なぜそのような定義になっているのか」について納得できるかが重要です。

「定義は誰かが決めたものだから,そのまま受け入れるしかない」というスタンスの方も多いのですが(昔の私もそうでしたが),そのようなスタンスは望ましくないと考えています。


「誘電体」についても学びます。
そのなかで「誘電率」という用語が出てきます。
みなさんは「誘電率とは,こうこうこういう率のことである!」とハッキリ説明されているのを見たことがありますか?
たぶん見たことがないと思います。
なぜハッキリ説明しないのでしょうか…?

「誘電率」「比誘電率」「真空の誘電率」については,「このように理解し,納得しておくのが最も素直で応用も利く」という説明をいたします。
ご期待ください。


「電束」についても一応学習します。
「電束」や「電束密度」が電験の問題にも出てきてしまうので,「仕方なく」学習します。

さて,電界 $E$ と電束密度 $D$ は,どちらが「リアル」なのでしょうか?
電磁気学の本質を見誤らないためにも,どちらが「リアル」でどちらが「実体の無いもの」なのか,といった話もいたします。


……ということで,電磁気学は初日から「てんこ盛り」です。
でも仕方がありません。
歴史上の天才たちが長きにわたって築き上げてきた電磁気学を,我々一般人がたったの3日で学ぼうとしているのですから…。

恐れずに飛び込んで欲しいと思っています。
一緒に頑張りましょう!


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