電験三種講座,講義紹介:機械1(電気機器基礎/変圧器)

予約受付を開始した講義について,簡単な紹介を書いてみたいと思います。
(「電気機器基礎/変圧器」については,「2019年度版」は「2018年度版」とほとんど同じ内容です。)

あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。


機械科目の1回目の講義は「電気機器基礎/変圧器」です。

電気機器基礎

まず,4つの電気機器(変圧器,誘導機,直流機,同期機)に共通した学習方針を提示します。

次に,電気機器を「エネルギー変換装置」として眺めてみます。

最後に,電気機器の学習をするうえで必要な電磁気学と電気回路理論を一通りおさらいします。
当講座の理論科目を受講していない方も,ここで(ある程度)足並みを揃えることができるでしょう。

変圧器の基礎事項

まずは,変圧器についての「常識的な知識」を確認します。

「常識的な知識」は,動作原理や等価回路を知らなくても理解できる内容ですから,変圧器というものをよく知らないという方も,最低限の知識を持つことができるでしょう。


「定格電圧」や「定格電流」といった言葉について,大まかな捉え方を学びます。
定格電圧の「定格」と定格電流の「定格」を同じように理解しようとすると,状況を見誤ることになるでしょう。

動作原理

変圧器の動作原理を学びます。

この講義における,最も重要な部分といって良いでしょう。

無負荷のときと負荷をつないだときそれぞれについて,因果関係を辿っていって「どのようなことが起きるのか」を突き止めましょう。


動作原理を学ぶと,一次側と二次側の起電力の関係,一次側と二次側の電流の関係が,おのずと(エネルギー保存則などを使わずとも)わかります。

先に確認した「常識的な知識」が,動作原理に即したものであることを確認できるでしょう。


一次側に印加した電圧と,内部に発生する磁束の関係を導出します。

また,最大磁束と起電力・周波数との関係についても学びます。

等価回路の導出

変圧器の等価回路を導出する前に,「理想変圧器 + 1個のインピーダンス」を「1個のインピーダンス」に等価変換することを考えます。

「こっそり入れ替えても気づかれない」のであれば,等価変換に成功したことになります。


また,複素アドミタンス $\dot{Y}\,\text{[S]}$ についても,等価回路を導出する前に学んでおきます。


いよいよ変圧器の等価回路を導出するのですが,その等価回路に盛り込むべき「理想変圧器と実際の変圧器との差異」をリストアップします。

そして,これらの差異を理想変圧器に対して「正しく」付加すれば,等価回路は「一応」完成します。

しかし,そのままでは扱いにくいので,更に変形していって,「簡易等価回路」などと呼ばれる形に持ち込みます。

変形する際には「なぜそうするのか」「なぜそうしても良いのか」といったことを考えながら進めていきます。

その結果,最初はえらく複雑に見えた等価回路が,最終的にはこぢんまりとした簡素なものになってしまうのです。

百分率○○降下

変圧器の内部インピーダンスは,オーム値ではなくてパーセント値で扱うことが多いのですが,そもそもなぜ「オーム値ではなくパーセント値で扱いたくなるのか」ということを,簡単な回路を通じて学びます。


百分率○○降下の定義を,ベクトル図(フェーザ図)とともに学びます。

また,電圧変動率については,定義と近似式を学びます。

「変圧器における電圧降下」をどのように捉えるかについては,慎重にならなければいけません。
なぜなら誤解しやすい箇所であり,誤解が散見されるからです。


「百分率インピーダンス降下」は,別名や別表記が多数あります。

そこで,「百分率インピーダンス降下」の(一般的な)定義とは別の解釈を紹介します。
この「別の解釈」を知っていると,様々な応用が利くようになるでしょう。


無負荷試験と短絡試験についても学びます。

無負荷試験や短絡試験の結果から,「求めるもの」をきちんと計算できるようになりましょう。

その他

短絡電流の計算のしかたを学びます。

また,鉄損と銅損について学んだうえで,(エネルギー)効率についても学びます。

変圧器の並行運転

まずは,変圧器を並列接続するというのはどういうことか,原理的な理解を確認します。


並行運転するための条件を,「必須」のものと「できればそうであることが望ましい」ものとを区別して学びます。

一般的な書籍では,「必須」のものと「できればそうであることが望ましい」ものを区別せずにリストアップしていることがあり,スムーズな学習を妨げやしないか心配になります。


変圧器を並行運転した場合,条件によっては「変圧器を無駄なく全て使い切る」ことができなくなってしまいます。

「変圧器を無駄なく全て使い切る」ためにはどのような条件が必要なのかを検証します。


並行運転している各々の変圧器が分担する容量を計算します。

百分率インピーダンス降下の変換がキモになります。
慣れて使いこなせるようになりましょう。

単巻変圧器

単巻変圧器も,二巻線変圧器と同様に動作原理を確かめます。
すると,単巻であっても確かに変圧できることが分かります。

また,単巻変圧器特有の項目についても学びます。



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