【講義紹介:電験二種2次】機械・制御2(誘導機)
予定されている講義について,簡単に紹介していきたいと思います。
機械・制御の2回目の講義は「誘導機」です。
※あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。
誘導機を学ぶ前に
変圧器は動きませんでしたが,誘導機は動きます(回転します)。
(通常の)運動方程式のみならず,回転体における運動方程式も紹介します。
その際,トルクや慣性モーメントといった概念を学びますが,それらの「便利な解釈」についても紹介します。
※運動エネルギーと機械エネルギーについても,それらが明確に違うものであることを説明いたします。
誘導機の動作原理を説明するにあたって,「ありがちなモデル」を紹介します。
ただしその「ありがちなモデル」には,実際の誘導機と決定的に違う点もありますので,注意を促したいと思います。
誘導機(基礎)
誘導機について,皆さんはすでに三種受験時に勉強されているわけです。
しかし,二種の2次試験を念頭においた上で,もう一度動作原理から思い起こす必要があります。
三種の時にはよくわからずに流してしまったことについても,いまならよく理解できるはずですし,それは2次試験対策に直結するものだったりするのです。
誘導電動機の動作の様子を3パターン考えます。
それぞれの動作を明確にイメージ出来るようになりたいところです。
動作の様子を理解したら,等価回路を導出します。
等価回路の一般的な導出過程においては,ある部分の説明が必ず「不親切」になっているのにお気づきでしょう。
その「不親切」な部分がどうなっているかは後ほど考えるとして,まずは「不親切」なまま先に進みます。
等価回路が得られたら,諸量が(簡単に)計算出来ます。
計算するための立式を一通り行います。
トルクと二次入力,トルクと滑りの関係(基礎),最大トルク,(トルクの)比例推移といった,基礎的な事柄をおさらいします。
電験二種2次試験レベルのオーソドックスな問題は,ここまでの「基礎的な」理解でほとんど解けてしまいます。
誘導機(応用)
比例推移に関して,三種レベルよりももう少し踏み込んだ考察をします。
巻線形誘導電動機で二次抵抗を増やしていったときのグラフの変化も見ておきます。
次のテーマに行く前に,基礎的な,しかし初学者に向けてはあまり積極的に語られない事項を説明します。
誘導機の等価回路を導出・紹介するにあたっては,この事項の説明が本来必要なのでしょうが,三種レベルの講義・教材ではまず説明されません。
誘導機の等価回路が「奇妙なもの」に見えてしまう一因は,そこにあると言えるでしょう。
なお,ここで学ぶ事項は誘導機限定の話ではなく回路理論一般に通用するものですから,皆さんの視野を広げてくれることになるでしょう。
滑り $s$ が負になる,あるいは1を超える場合について,トルクと滑りの関係を表すグラフを眺めます。
そして単に眺めるだけでなく,もう少し踏み込んで調査・検証してみようと思います。
事前に学んだ事項が頭に残っているので,「一見奇妙に見える回路」が「さして奇妙ではない回路」に見えてくることでしょう。
等価回路の導出過程で「不親切」だった部分について考えます。
この部分の理解が2次試験で直接問われることはないでしょう。
しかし,基礎的な理解を武器に,難解な内容をひもといていくさまを体験することは,今後の皆さんの学習に対して大きなインパクトを与えることになると考えています。
楽しんでいただけたら幸いです。
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