【講義紹介:電験三種】理論6(正弦波交流/複素記号法)
予定されている講義について,簡単に紹介していきたいと思います。
電験三種講座:理論科目の6回目は「正弦波交流/複素記号法」です。
※あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。
正弦波交流
皆さんはすでに正弦波のグラフを見たことがあるでしょう。
正弦波のグラフを見たとき「あ,波の形をした何かがある!」と思ったかもしれません。
人間の脳はそのように認識する傾向があるように思いますが,それではグラフが意味するところを正しく解釈できているとは言えません。
「正弦波のグラフ」はそもそも何を表しているのか,体験的に学習します。
弧度法や三角関数についても学習します。
その際「定義」を紹介すると同時に,「便利な解釈」も紹介します。
ふだんの思考においては,「便利な解釈」を活用するとよいでしょう。
瞬時値の式についても学習します。
その際,「瞬時値の式とはそもそも何の式なのか」「なぜ人はそんな式を欲しがるのか」を考えるとよいでしょう。
そうしないと,瞬時値の式は「ただ複雑なだけの何か」に見えてしまうかもしれません。
位相(差)についても学びます。
試験問題でもそうですが,ただ1つの瞬時値の式が提示され,その式の中に(初期)位相の情報が含まれていたりします。
しかし,ただ1つの波形だけを考えたときに,その(初期)位相という情報に何か意味が「有る」のでしょうか?
もしもその答えが「無い」なのであれば,本当に意味のある情報は何なのでしょうか?
そのようなことを学習します。
皆さんはすでに「三相200Vの電源」というものを知っているかもしれません。
この電源を見ると「200Vと200Vを足すと,(400Vではなく)200V」となっていて,驚くのではないでしょうか。
人によっては「交流回路と直流回路とでは,電気自身の振る舞いが違うのかな?」などと思われるかもしれません。
しかし,そもそも電気自身は「自分はいま交流回路の中にいるから,こう振る舞おう」とか「自分はいま直流回路の中にいるから,こう振る舞おう」などと考えているのでしょうか?
そんなはずはありません。
電気はいつも「同じ」振る舞いをしているはずです。
そのような観点から,正弦波の足し算を体験的に学習していただきます。
電験三種の無料体験教室では,皆さんが見慣れている記号の「本当の意味」を,直流回路を題材に説明いたしました。
では,その「本当の意味」は,交流回路になると変わってしまうのでしょうか?
そんなことはありません。
そして,その「本当の意味」は,ますます重要になってくるのです。
この「意味は変わらず,さらに重要性が増す」さまを,じっくり学習します。
複素記号法
まずは複素数について学習します。
「複素数」という新しい数を導入しますが,我々がやる計算は「四則演算のみ」です。
「数」は新しいかもしれないけれど,やる計算はすでに知っている「足し算・引き算・掛け算・割り算」だけなのです。
※実は複素数を導入することで,微分や積分が,単なる掛け算や割り算で済んでしまうのです。
恐れずに取り組みましょう。
正弦波を複素数で表現することを学習します。
複素数の「しくみ」と,正弦波がどのようにできているかが分かっていれば,さほど難しくはないでしょう。
すると,正弦波どうしの足し算が,複素数どうしの足し算で実現できることがわかります。
(引き算についても同様です)
実は正弦波どうしの足し算や引き算だけであれば「回転ベクトル」などと称するベクトルでも実現できます。
ですから,ここまでであれば「複素数を導入する必要」はないのです。
正弦波を複素数で表すことはできるようになりましたが,毎回毎回そんなに「キチンとした」複素数で表す必要があるのかどうかを考えます。
その結果「簡易版」でよいことがわかります。
電験三種の無料体験教室では,皆さんが見慣れている記号の「本当の意味」を,直流回路を題材に説明いたしました。
では,その「本当の意味」は,複素記号法になると変わってしまうのでしょうか?
そんなことはありません。
そして,その「本当の意味」は,ますます重要になってくるのです。
この「意味は変わらず,さらに重要性が増す」さまを,じっくり学習します。
交流回路における抵抗,コンデンサ,コイルの振る舞いを学習します。
いよいよ複素インピーダンス $\dot{Z}$ を導入します。
これこそが「複素数を導入する理由」と言えるでしょう。
複素インピーダンスの「意味」をじっくり感じ取っていただきたいと考えています。
複素インピーダンスを導入したら,抵抗単体,コイル単体,コンデンサ単体の複素インピーダンスを調べます。
「抵抗単体やコイル単体,コンデンサ単体はインピーダンスではない」という理解をされている方も多いようですが,そのような理解は「素直ではない」と考えています。
抵抗単体やコイル単体,コンデンサ単体に対しても「インピーダンス」という概念を考えることが出来ます。
複素記号法のよりどころとなる3本の式が,直流回路のよりどころとなる3本の式と全く同じ形をしていることを確認します。
これが何を意味するのかを学習します(とても重要なことです)。
以上で,複素記号法をひとしきり導入できたといってよいでしょう。
(山を登り切ったのです。)
あとは,個別の事例について回路を解析していきます。
(あたかも山の斜面を軽快に滑り降りていくかのように。)
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