電験二種合格のための,電験三種学び直しガイド(各論3):電磁誘導/インダクタンス

皆さんは導体棒やコイルに「起電力」が発生することを学びます。
「起電力」と呼ばれるものが発生しているとき,その内部でどのようなことが起きているのかを想像したことはあるでしょうか。

電験では起電力の「定義」は扱いませんが,起電力と呼ばれているもののメカニズムを一度考えておくことは良い勉強になるでしょう。


ファラデーの電磁誘導の法則については誤解されていることが多いので,まずは誤解をまねく要因を一切排除して正しい理解をする必要があります。

また,式に「マイナス」を付けるべきか否かは,慎重に検討されるべきです。
よくある説明では,数式中の「マイナス」に物理的な意味を託してしまっていますが,そもそもそんなことを勝手に行って良いのでしょうか?
「マイナス」という記号に,「マイナス」記号が持つ意味以上のものを勝手に付与して良いのでしょうか?
個人的には疑問を感じます。

ファラデーの電磁誘導の法則は,1つの図と1つの式で表せるものですが,それを理解しただけでは応用が利きません。
応用力を付けるには,いろいろな状況について考察をする必要があります。

なお,ファラデーの電磁誘導の法則には「原因」が2種類あります。
「原因が2種類あること」に言及する意味など無いと考える方もいるでしょうが,電気機器を扱う人たちはそれぞれの原因に起因する起電力に,別々の名前を付けて呼び分けているのです。
わざわざ呼び分けている理由は,呼び分けることでさらなる「良い見通し」が得られるからです。


導体棒に発生する起電力の向きについては,図を見たら3秒程度で答えられるようにしたいところです。
なぜなら,電気機器の動作原理を考える際に,頻繁に「起電力の向き」を考えなければならないからです。
そうなると,「右手のあの形」はあまり役に立ちません。
起電力の向きを知る,別の方法を習得しましょう。


自己インダクタンスや相互インダクタンスも,誤解されていることが多いです。
たとえば,ある方がコイルの図を見ながら「こっち向きに電流が流れると,こっち向きに起電力が発生するんだよ」と説明していたとしたら,その説明は正しくありません。
是非とも正しい理解を獲得しましょう。



電験三種講座の「理論3(電磁誘導/インダクタンス)」では,電磁誘導についてかなり掘り下げて学習します。
そして「掘り下げた恩恵」は,電気機器の動作原理を学習する際に受けることになるでしょう。

また,インダクタンスについては,電気回路理論に突入する前に,電磁気学的観点からしっかり理解することを目指します。

1日単位で受講できますので,ぜひ受講をご検討ください。

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