電験二種合格のための,電験三種学び直しガイド(各論4):電気回路理論基礎/回路網解析法

皆さんは電気回路理論について,もしかしたら以下のように認識しているかもしれません。

「まずは直流回路を学び,その次に交流回路を学んだ」

しかしそのような認識では「直流回路はわかるけど,交流回路はどうも苦手」という困った状況に陥るおそれがあります。

直流回路を学ぶ際には,できれば「自分は今,直流回路を題材にして,交流回路にも適用できる理論を学んでいるんだ」と考えたいものです。

当方の電験三種講座に「直流回路」というタイトルがどこにも見当たらないのは,そのような考え方に沿った講義になっているからです。


回路理論の学習を進めていくと,様々な「結論」を導出することになります。

どうしてもそれらの「結論」に目を奪われてしまうかもしれませんが,学び直すに当たっては「それらの結論を導き出すよりどころとなっている式は何なのか」を一度整理してみるとよいでしょう。

よくよく観察してみれば,直流回路と,(複素記号法を導入した)交流回路とで,「よりどころ」となっている式の形が全く同じであることに気づくはずです。

ですから,直流回路で得られた結論は,(原則的に)そのまま交流回路でも使えるのです。


回路網を解析する手法として,(網目状の)ループ電流を未知数とする手法と節点電位を未知数とする手法の2つは使えるようになりたいところです。
(枝電流を未知数とする方法は,未知数が多くなりすぎるのでお勧めしません。)

なお,「ループ電流」というものは回路を解析するにあたって「便宜上考えたもの」ですから,「実在するもの」とは考えない方がよいと思います。
※結構多くの方がループ電流を「実在するもの」として捉えているようで,そのような場合は誤解をとくのに苦労します。

また,テブナンの定理を使った回路計算も,電力科目などで重要な役割を果たすことになりますから,必ず習得する必要があります。
「なんだかよくわからないから」とか「理論科目ではあんまり使わないから」と避けてはいけません。
※「三種の学び直し」からはそれてしまいますが,テブナンの定理は一度ご自身で導出してみるとよいでしょう。


初学者向けの本の多くは,電圧や電流の解析もままならないうちに電力の話が登場します(オームの法則の直後など)。

個人的には,このような「電力の早すぎる登場」は好ましくないと考えています。

できれば,電圧や電流の解析がある程度できるようになってから,電力の学習をしたいところです。



電験三種講座の「理論4(電気回路理論基礎/回路網解析法)」では,回路理論の「骨格」がどうなっているのかを見据えた上で,直流回路を題材に,直流回路にも交流回路にも適用できる回路理論を学びます。

1日単位で受講できますので,ぜひ受講をご検討ください。

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