電験二種合格のための,電験三種学び直しガイド(各論8):誘導機
回転体の運動方程式
変圧器は動きませんでしたが,誘導機からは機械が動きます(回転します)。
モノがどう動くかは運動方程式に従いますが,誘導機の動きは回転運動ですので「回転体の運動方程式」に従います。
回転体の運動方程式は,無料体験教室で紹介したような(一般的な)運動方程式との「対比」で理解することも可能ですが,できれば「慣性モーメント」や「トルク」「角加速度」といった概念そのものをしっかりと理解したいところです。
動作原理
トルクの発生原理としては,「アラゴの円盤」や「金属の円柱の外側で磁石を動かす」といったものが紹介されることが多いでしょう。
たしかにこれらは「トルクの発生原理」を示してはいますが,誘導機内部でおこる「とても重要なことがら」が欠落しています。
何が欠落しているのかを正しく把握しておきたいものです。
誘導機が回転している際の,ある瞬間における起電力の向き,電流の向き,磁束の様子を,一枚の図に全て書き込むことは,動作の様子を理解する上でとても役に立ちます。
とはいえ,このような図はかなり複雑なものになりますし,完成形をいきなり見せられたとしても,それを理解することは難しいでしょう。
(つまり,このような図は書籍への掲載に適していませんので,掲載されないのです)
やはり,説明を聞きながら一つずつ順番に書き込んでいくことで,理解しやすくなるものと思われます。
等価回路
等価回路の導出過程は,だいたいどの書籍でも似たようなものになっていると思いますが,ある箇所だけ妙に素っ気なく(物理的な意味を説明せずに)数学的な説明だけで進める箇所があります。
せっかく学び直すのですから,そのような箇所の「物理的な意味」についても掘り下げて考えてみたいところです。
また,導出過程において「理想変圧器の一次側から入力される電力と二次側から出て行く電力が釣り合わない」という,不思議な図が登場します。
電験二種や一種に挑んでいる方の間で話題に上ることがありますが,なかなか追求しきれないようです。
実は,ファラデーの電磁誘導の法則に「原因」が2つあることを理解しているとこの謎が解けるのですが,三種の講義ではヒントを提示するにとどめています(二種の機械・制御科目の講義でキチンと扱いたいと考えています)。
電験三種講座の「機械2(誘導機/照明〈ガイダンス〉)」の講義では,誘導機について学び直すための「答え」や「ヒント」を数多く提供しております。
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