電験二種講座,講義紹介:電磁気学5(インダクタンス)

電験二種講座に関しても,予約受付を開始した講義について簡単に紹介していきたいと思います。

電磁気学の5回目の講義は「インダクタンス」です。
※あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。

自己インダクタンス

自己インダクタンスという概念をおさらいします。

自己インダクタンスの定義については混乱があるように見えますが,素直なものを定義として採用します。

コイルに蓄えられるエネルギーを,自己インダクタンスとの関係で導出します。

「磁気的な場」が持つ,単位体積当たりのエネルギーも導出します。

磁気回路における自己インダクタンスについてもおさらいしておきます。

電線が持つ自己インダクタンス

「電線それ自体が自己インダクタンスを持つ」という考え方は,人によってはなかなか受け入れがたいものかもしれません。

「電線が持つ自己インダクタンス」については「回路がループしているから…」とか「電線に巻き付く磁束を“鎖交磁束”としてカウントして…」といった説明が一般的です。

講義では,それら一般的な説明も紹介したうえで,「電線が持つ自己インダクタンスを持つ本当の原因」についても考えてみます。
※「磁束鎖交数の時間変化は,起電力の直接的な原因ではない」ということを前回の講義で説明しています。前回の講義の説明が,「そのまま」今回の講義でも活きてきます。

最後に,電線が持つ自己インダクタンスを,いくつかのアプローチで計算します(積分を使います)。
電験二種の理論対策としては必須の項目となります。

電気回路理論の基礎としての自己インダクタンス

自己インダクタンスを持つ素子(コイル)の,回路図上の表記とその意味を「正しく」理解します。
※誤解が多いと感じますので…。

いくつかの接続方法における,合成自己インダクタンスがどうなるかについても,確認しておきます。
※近年ちらほらみかける「ある解釈」について紹介し,それが妥当な解釈かどうかも検証する予定です。

変圧器の一次側と二次側の「電気的な」関係

相互インダクタンスを扱う前に,変圧器の一次側と二次側の関係について,少し触れておきます。

(普通の)変圧器は,一次側と二次側は「磁気的に」は結合していますが,「電気的に」は結合されていないように見えます。

一次側と二次側の「電気的な」結合を,「回路理論上は」どう考えるべきなのか,「実際の変圧器においては」どう考えるべきなのかを,紹介します。

相互インダクタンス

相互インダクタンスの概念をおさらいします。

相互インダクタンス「 $M$ 」の正負の取り扱いや,ドットにどういう意味を持たせているかは,いくつかの流儀があって,混乱しているように見えます。
講義では,「電験の勉強をしていくにあたって困らない」ような,「 $M$ 」の定義やドットの解釈を提示します。

「相互インダクタンスを持つ2つのコイル」が接続された回路を,「相互インダクタンスのない」回路に等価変換する方法を紹介します。
電験の参考書では等価変換して終わりになっていますが,面白いテーマですから,講義ではもう少し探求してみます。思わぬ収穫がいくつかあるでしょう。

磁気回路における,自己インダクタンスと相互インダクタンスの例

電験二種の理論科目に出てくるような磁気回路において,自己インダクタンスと相互インダクタンスがどうなるのかを考えてみます。

また,鉄心同士が引き合う力を,参考書に書いてあるような方法と,もっと簡単な方法の2通りのやり方で導出してみます。

自己インダクタンスにおける瞬時電力

まずは瞬時電力のグラフを描いてみます。
この作業を通して,「瞬時電力の意味」を実感できると思います。
(誰かが描き上げた「波形」をいきなり眺めても,なかなか実感は得られないと思います。)

グラフを描き上げたら,起電力の向きと電流の向きについて考察します。
もしも「起電力の向きに電流が流れる」と考えていたのであれば,再考を迫られることになるでしょう。

最後に,「無効電力が 3 var」といったとき,いったい「何が」「3」なのかを検証します。
意外な結論を得ることになるかもしれません。

自己インダクタンスの活用例

パワーエレクトロニクス回路を理解するうえでは,自己インダクタンスの働きを理解することがひとつのキーポイントとなります。

講義では,パワーエレクトロニクス回路の学習を見据えたうえで,自己インダクタンスの基本的な働きをいくつか紹介します。
※近年ちらほらみかける「ある解釈」について紹介し,それが妥当な解釈かどうかも検証する予定です。



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