電験三種,過去問題への取り組み方・過去問題集の選び方【2019年版】

※2020年版の記事はこちら☞

電験三種を受験予定の皆さま,過去問題への取り組みは順調ですか?

試験まであと1ヶ月ほどですので,既に過去問題に取り組んでいるとは思いますが,過去問題集の選び方や取り組み方を,私なりにまとめてみました。

少しでも参考になれば幸いです。

過去問題への取り組み方

まずは,過去問題への取り組み方についてまとめてみます。

分野ごとにやるか,年度ごとにやるか

過去問題集は,

  • 過去問題を分野ごとにまとめたもの
  • 過去問題を年度ごとに掲載したもの

に大別されます。

試験が近くなったこの時期には,年度ごとの過去問題に取り組むことをオススメします。

スポット的に分野ごとの過去問題に取り組むのはよいかもしれませんが,「長期にわたって触らない分野」を作ってしまうのは,試験が近いこの時期において得策ではありません。

年度ごとの過去問題を,どういう順番で取り組むか

年度ごとの過去問題を解くことにあたって,

  • 新しい年度から古い年度に向かって進めるのか
  • 古い年度から新しい年度に向かって進めるのか

という問題があります。

個人的には,

  • 新しい年度から古い年度に向かって進める

ことをお勧めしています。

理由としては,

  • 直近の試験問題の感触をつかめる
  • 計画通り進められなくても,「達成できなかった」という感覚が少ない

という2点が挙げられます。

また,

  • 直近1~2年の問題は今年出題されないから,やらない

という方もいますが,個人的には直近の問題もやっておいたほうがよいと思います。

理由は,「出題のされ方」などが大きく変化していないかを確認できるからです。

※近年ですと法規科目の一部の問題において,「出題のされ方」がある年を境に大きく変化した事例があります。

1周目は1問づつ,2周目は年度ごと,余力があれば3周目

年度ごとの過去問題を取り組むに当たって,1周目と2周目では差を付けた方がよいでしょう。

1周目:1問解いたら,すぐに解説を見る

1問ずつ丁寧に解きましょう。

「自分すら読めない殴り書きのメモ」を書いていては,あまり勉強になりません。
自分の思考を後で検証できないからです。

問題で文字が割り当てられていない諸量にもなるべく文字を割り当てて計算しましょう。

たとえば「定格一次電圧が 6 600 V」などと書かれていたら,

$$V_\mathrm{1n}=6\,600\ \mathrm{V}$$

などと文字を割り当てて,文字で式を立てていきます。

1問にかける時間は,あまり長くならないようにしたいです。

※5月頃であれば1問に1日かけてもよいかもしれませんが,今は「試験直前」です。

2周目:1セットをまとめて解き,その後解説を見る

1セット(たとえば2018年理論)を所定の時間(たとえば90分)で解きましょう。

「コンスタントに8割程度の得点ができるかどうか」という観点で,ご自身の実力を評価してはいかがでしょうか。

3周目:2周目と同様

余力があれば,3周目に取り組んでも良いでしょう。

過去問題を何年分やるか?

とりあえずは,10年分をやるようにしましょう。

もちろん,「10年分やらないと合格できない」とは思いません。

過去のどの問題をやっても「納得ずくで解ける」という自信があるのであれば,3~5年分程度でも十分だと思います。

ただ,「10年分やらずに不合格になった」という経験があるのであれば,今年は少なくとも10年分はやったうえで試験に挑みたいところです。

解説を読んでもわからなければ…

解説を読んでもわからなければ,わかる人に訊いてしまいましょう。

今の時代「人に訊く」手段はいろいろありますので,それらを有効に活用されたらよいでしょう。

もちろん当講座の受講者は,講師である私に訊いてしまえばよいのです。

ただ,「自分にとっては難しすぎる」と感じる問題については,試験直前の今の時期に深追いすることは避けた方がよいでしょう。

過去問題集の選び方

既に過去問題集を入手済みかとは思われますが,参考までにいくつか挙げておきます。

過去問題集を入手したら,すぐに出版社のWebサイト(ホームページ)に行って「正誤表」の有無を確かめましょう。

4科目の10年もの

受験する科目が3~4科目の方は,「4科目の10年もの」を選ぶとよいでしょう。

代表的なものが,コチラです。

  • 電気書院『電験3種過去問題集 2019年版』

見開きが「左ページに問題,右ページに解説」となっていて,勉強しやすいです。

「出題推移」の表を見ることで,出題予想もしやすくなります。
※個人的には「予想が外れても合格できる実力」をつけていただきたいと考えています。

Kindle版もあります。

【正誤表のページ】※目をこらして探してください。

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オーム社やTAC出版からも出版されていますので,できれば現物を見た上で購入したいところです。

  • オーム社『2019年版 電験三種過去問題集』
  • オーム社『2019年版 電験三種実戦10年問題集』
  • TAC出版『みんなが欲しかった! 電験三種の10年過去問題集 2019年度』

1科目の15年もの

「残りあと1科目」「残りあと2科目」といった方で,多めに過去問題を解きたい場合は,こちらの過去問題集を選ぶとよいかもしれません。

ただ,過去問題がテーマごとに並んでいるので,「年度ごとに取り組みたい」という場合には向きません。

  • 電気書院『理論の15年間 2019年版 (電験3種過去問マスタ)』
  • 電気書院『電力の15年間 2019年版 (電験3種過去問マスタ)』
  • 電気書院『機械の15年間 2019年版 (電験3種過去問マスタ)』
  • 電気書院『法規の15年間 2019年版 (電験3種過去問マスタ)』

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「古い」過去問題に取り組むメリット

電験三種は,「過去に出題された問題はあまり出ない」と思われがちですが,長いスパンで眺めると,ほとんど「同じ」問題が出たりします。

個人的には,あまり古い過去問題まで取り組む必要性を感じませんが,

  • どうしても今年合格しなければならないし,
  • 勉強時間は相当量確保できる

ということであれば,取り組んでみても良いでしょう。

「古い過去問題」に取り組む際には,「どこまでさかのぼるか」をあらかじめ決めておきたいです。

試験制度の変更なども考慮すれば,

  • 平成7年まで
  • 平成元年まで

の2択になるのではないでしょうか(昭和の問題をかじってもよいかとは思いますが…)。

電気書院が過去に出版していたシリーズで,たとえば

『電験第三種 理論〈2001年版〉(科目合格のためのデータベースマスタブック)』

という書籍があります。
※科目名や年度の部分は変わります。

※〈2001年版〉というのは,「2001年の受験者を対象としている」という意味ですので,収録されている問題は「2000年のものまで」ということになります。

私なりに調べてみたところ,タイトルの年度と収録年度の関係は,以下のようになっていました。

※実際に購入される際は,ご自身でよくご確認ください。

  • 2001年版:平成元年~平成12年(12年分)
  • 2002年版:平成元年~平成13年(13年分)
  • 2003年版:平成元年~平成14年(14年分)
  • 2004年版:平成元年~平成15年(15年分)【お得】
  • 2005年版:平成2年~平成16年(15年分)
  • 2007年版:平成4年~平成18年(15年分)
  • 2008年版:平成5年~平成19年(15年分)
  • 2009年版:平成6年~平成20年(15年分)
  • 2010年版:平成7年~平成21年(15年分)【お得】

平成元年までさかのぼりたいのであれば,2004年以前の版を選ぶことになるでしょうし,平成7年までさかのぼりたいのであれば,2010年以前の版を選ぶことになるでしょう。

収録問題について「お得」なのは2004年版と2010年版なのですが,人気が高いので入手性は悪くなります(品切れだったり,高価だったり)。

個人的には「妥協して,安いものを入手する」のがよいと思っています。

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なお,「古い」過去問題の入手方法は他にもありますので,ご自身の知っている範囲・できる範囲で入手なさるとよいでしょう。

道具にこだわる

せっかくなので,私が使用している道具を紹介いたします。

ページオープナー

厚めの本を開いたままにするのに便利な道具があります。

「ページオープナー」などと呼ばれるものです。

個人的には電験1種の勉強をしていた頃から使っており,いつも筆入れに入っています。

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iPadの紹介

「アップルペンシル」という,とても書き心地の良いデバイスの登場により,「iPad(Pro)をノートとして使う」ことを選択肢に入れても良い時代になりました。

画面サイズの選定

「資料とノートを左右に並べて」使いたいのであれば,画面サイズは(最も大きい)12.9インチの一択でしょう。

そうすると必然的に(iPadではなく)iPad Proを選ぶことになります。

※iPad(Pro)を「ノートのみとして」使いたいのであれば,画面サイズが小さなものでもよいと思います。

第3世代か第2世代か

12.9インチを選ぶとしても,現行モデル(第3世代)と,1世代前のモデル(第2世代)のいずれにするかは,悩ましいところです。

私は強度に関する不安から,第2世代のモデルを選びました。
※iPadProの第3世代か第2世代かで,使用できるアップルペンシルのモデルが異なりますので,ご注意ください。

【Amazonで探す】※記事を書いた時点では,第3世代も第2世代も検索でヒットしています。

ペーパーライクな保護フィルム

アップルペンシルでiPad(Pro)に文字を書いてみると,ペン先が画面に当たった直後に「ツルッと」すこし滑るのに気がつくかもしれません。ちょっとツルツルしているのです。

たいていは「ツルッと」滑らないように,無意識のうちにアップルペンシルに力を入れることになります。

そこで,iPad(Pro)の画面を「紙のように?ザラつかせる」フィルムがいろいろと販売されています。

私が利用しているのは,ミヤビックスの「ペーパーライク 保護フィルム」です。
※第3世代用と第2世代用とで形状が異なりますので,購入の際はご注意ください。

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ノートアプリ

ノートアプリは,定番のGoodNotes 4や,Notabilityを使えばよいのではないでしょうか。

講義に参加された方はiPad Pro 12.9インチ(第2世代)をお試しいただけます

講義(三種講座も二種講座も)にご参加いただいた際にお声がけいただければ,試しに使っていただくことは可能です。

過去問題のKindle本もiPadで閲覧できますので,

  • 左に過去問題,右にノート

といった環境をお試しいただくこともできます。

最後に

試験まであまり期間がありませんが,全く無いわけでもありません。

とくに「毎日,十分な勉強時間が取れる方」は,まだまだ追い上げられるはずです。

過去問題をほとんどやらない,あるいは過去問題をほとんど解けない状態で試験会場に行く方がいらっしゃいますが,それでは合格は難しいと思います。

やはり合格するつもりであれば,過去問題をある程度解ける状態に仕上げてから試験を受けたいところです。

頑張ってください。