電験三種講座,講義紹介:理論7(交流電力/三相交流回路)

予約受付を開始した講義について,簡単な紹介を書いてみたいと思います。
(理論7に関しては,「2019年度版」も「2018年度版(理論6:交流電力/三相交流回路)」とほぼ同じです。)

あくまでも「簡単な紹介」ですので,講義で扱う全ての項目に触れているわけではありません。


理論科目の7回目の講義は「交流電力/三相交流回路」です。

記号法に慣れる

前回の講義で記号法について学習したのですが,記号法を扱うのであれば,その前提として複素数に習熟していなければなりません。
複素数について,特徴的なことがらや誤解しがちなポイントを紹介します。


記号法について,いちどまとめておきます。
記号法を使いこなせている方であってすら見過ごしがちな点も,ここで強調しておきます。


記号法についての腕慣らしを,1素子単位で行います。

  • コンデンサには進みの電流が流れる
  • コイルには遅れの電流が流れる

といった「お題目」は,あまり正確ではないことに気づくことでしょう。
※そのお題目を意識しすぎたのか,わりと高度なテーマにおいても間違った結論に至っている事例を見かけます。


また,記号法を扱ううえで強く意識しておきたい点をいくつか紹介します。

最後に,おなじみの回路を題材に,記号法(2パターン)を使った場合と使わなかった場合の解析方法を比較をしてみます。

共振現象

直列共振と並列共振について学びます。

説明自体はオーソドックスなものになりますが,誤解しがちな点なども強調しておきます。

交流電力

「交流電力が 100 W」といったら,それは一体何を表しているのでしょうか。
交流における電力の定義と,実効値の定義などを学びます。


瞬時電力の波形を3つ描いてもらいます。
その作業を通して,「交流の電力」なるものが,グラフ上にどう現れるのかを知ることになります。


有効電力,無効電力,皮相電力についても学びます。

たまに「交流の電力は,直流の電力と違って3種類ある。」と思っている方がいらっしゃいます。
間違いだとはいえませんが,あまりよい理解ではありません。

「名前」にとらわれず,3つの「電力」が何を表しているのかを学習しましょう。


力率という概念についても学びます。

名前が誤解を誘発しているとも感じますし,わかりにくい概念だからなのか,俗説(=誤解)も多く出回っていると感じます。

正しい理解を獲得しましょう。


リアクタンスやインピーダンスにおける「電力」が,直流回路における抵抗の電力を表す式と同じ形で書けることを学びます。


力率の改善について,まずは電流を主体にして考え,次に電力を主体にして考えます。

力率の改善についても,ありがちな誤解について強調しておきます。

また「便宜上の表現」についても学びます。
「便宜上の表現」を使えるようになれば,そこで起きている出来事をカンタンに捉えることができます。


複素電力については,良い説明をあまり見かけないという印象を持っています。
私自身がしっくりとくる,とても素直な説明を紹介します。

三相交流回路

まずは三相交流電圧の,瞬時値の式と波形を描いていただきます。
すでに紹介してある「方眼紙の活用法」を知っていれば,三相交流の波形は簡単に描けます。


三相交流電源と三相負荷について,その結線方法などを学びます。

初学者向けの書籍では,三相交流を説明する際,「三相交流電源と三相負荷を同時に」描いて説明していることが多いのですが,個人的にはあまり感心しません。

なぜなら,回路理論上は,

  • 三相交流電源にとっては,負荷が星形結線か三角結線かは関係ないことだし,
  • 三相負荷にとっては,電源が星形結線か三角結線かは関係ないことだから

です。

三相交流電源(星形結線)のベクトル図なども描きますが,これもすでに紹介してある「方眼紙の活用法」を知っていれば,簡単に描けます。


電源や負荷の,スター・デルタ変換も学びます。
その際,大きな落とし穴も紹介します。


三相交流回路はそのまま扱っても良いのですが,三相平衡していれば,もっと簡単に扱うことができます。
その扱い方を学びます。


最後に,三相交流回路の電力や力率,力率改善についても学びます。



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